PARIS パリ FEDORA より

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オペラに着て行くドレス?! 

 

わたしが良く聞かれる質問の一つに「オペラにはすごいドレスが必要でしょう?」というものがあります。
たとえば今月号の25ans ニューヨーク特集の1ページにはこんな写真が。
Dress 1
たくさんの方のオペラのイメージってこうなのかな?たぶんこういう写真を見ると「わーすごい!わたしにはとても無理!」とほとんどの方が思われるのではないでしょうか。
この美しい写真は夢を見させると同時に、現実離れさせてしまう、もしかしたらオペラを遠いものだと思わせてしまうかも知れませんね。この写真は先日のブログでも書いたニューヨークのメトロポリタン歌劇場での前の一枚です。
しかしながらこういうドレス姿でメトロポリタンオペラへ出かける日はたった一日。オープニングナイト、シーズンの初日だけです。この日はこの広場に赤の絨毯が敷かれ、リムジンで乗り付ける各界のキラ星のような方、俳優やスター、パトロン(オペラ座への高額寄付者)などがブラックタイのドレスコードで、男性は名の通りブラックタイ(黒の蝶ネクタイ)女性はロングドレスで現れ、圧巻です。
わたしは2度このオープニングナイトを経験しましたが、一度は大統領も来ました。わたしはこのために大阪の帝国ホテルのNicole Millerでクリーム色の絹ジョーゼットのロングドレスを求め、母は色留袖で日本より。
オペラが始まる前に指揮者はアメリカ国歌を演奏します。全員が起立し、一緒に歌います。ちょっと困ってしまった母とわたし。アメリカ人じゃないし。戦争に負けた国だし!歌うわけには!
そして翌日の夜からは、普通の日に戻りますので、逆にロングドレスで来るのはおかしくなってしまいます。
ニューヨーク以外でこういうドレスコードが付くのは、ミラノスカラ座の初日でしょうか。この日もロングドレスで行かなければなりません。不思議なことに、ミラノスカラ座では黒のドレスを召される女性が多いのです。
ニューヨークは派手さを競うようなところもありますが、ミラノスカラ座は何か厳粛な感じです。
ミラノもブラックタイにロングドレスはこの晩だけで、それ以外の日は普通になります。
それでは「普通」とは??と思われることでしょう。
「普通」は国、都市によって異なる気がします。わたしもかれこれオペラ生活20年、たくさんの国や都市を訪れました。その経験からわたしの考えを書きますと、オペラや音楽に対する人々の考え方が装いにも反映されているように思います。たとえばドイツ、オーストリア、イタリア、イギリスなどではオペラや音楽は素晴らしいもの、歴史から見ても誇りに思い敬うもの、といった考え方が強い気がいたします。そして人々はスーツにネクタイをしめ、女性も美しいスーツやワンピース、カクテルドレスなどでオペラ座を訪れ、特別な日として幕間にはシャンペンをいただきます。またミュンヘンのようにお金持ちの街?では、社交界の色も強くなりますし、ウィーンなどでは派手というよりきちんとした洋服で行く上に、拍手の仕方にも気を遣います。音楽に対してとても厳しいのです。
またイタリアもオペラは特別なイベントという認識が高い気がします。
音楽に対する愛情が深く、だから厳しくもあり、指揮者や歌手への極端なブーイングまたは派手な賞賛のブラヴォーなどが大声で聞かれるのもイタリアです。それも楽しみの一つです!
ですからやはり男性はスーツ、女性もおしゃれをして出かけます。
イベントとして派手なものの一つにヴェローナの夏の音楽祭があります。こちらでは素晴らしいロングやカクテルドレスを着た女性や、ブラックタイではなく白の蝶ネクタイに白のジャケットを着たマフィアのような紳士を見かけることもあります。もっともこのヴェローナの夏の音楽祭中はヴェローナにはイタリア人よりもドイツ人の方が多くなると言われるくらいですから、案外ドイツの紳士なのかも知れません。
さて、それではわたしの住むフランスでは?
残念ながら社会党の色が濃くなってしまったパリでは「着飾ること=特別なことをすること=金持ち=ファシスト」といった空気が年々濃くなり、わざとドレスダウンするような感じになってしまいました。
ロングドレスなんてとんでもない、カクテルドレスさえ目立ち過ぎ、ジーンズにスニーカーでオペラ座へ行くような雰囲気です。指揮者やオーケストラが燕尾服で演奏なさることも多いわけですから、彼らへの敬意という意味もドレスコードにはあるはずなのですが、そんなことはお構いなしなのが現実です。
この国では子供にジーンズ以外の洋服を着せるのが難しくなってしまいました。少し前の人気女性誌に「Sale et jolie」汚くて美しい、という特集が組まれたくらい。髪はボサボサ、破れたジーンズに靴、汚い色のボロボロのかばん、それが今風です。
それでもフランスの中で唯一派手なオペラ座があります。それは南仏のニースです。真冬なのに太陽燦々、20度近くある晩に、女性たちはミンクを羽織って、持っている宝石を全部付けて、美しいドレスで現れました。
何を隠そう、イタリアに近いこの都市、そして政治的にもとっても右派のこの街では、女性が着飾るんですね!
なんだか嬉しくなりました。


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