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フランス人女性について たとえばCarol Bouquet

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昨日マレのブログでパリのセレブリティーという言葉や、BOBOについて書いたところで、ちょっとフランス人女性について書きたくなりました。この2つの言葉にヒットする例えばこの人、Carol Bouquet は日本でも有名な女優ですね。
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美人の少ないこの国で、彼女はやはり美貌の女優、その存在感に知性、生き方などもとにかく話題になる女性です。
「生き方」と書いたのはヒューマニティー活動を含めこれは彼女がしていることの中のただ一つの例ですが、たとえば今彼女はイタリアの小さな島でワインを作っています。それも多くのハリウッドのセレブリティーなどがするようにただ所有して誰かにやらせるのではなく、彼女自身が自分で出かけて選んだ場所、自分で土をいじり、勉強し、評価されるワインになるまできちんと努力をするのです。人々から賞賛されるには意味のある人なのです。
さて、ここでなぜわたしがフランス人女性として彼女を取り上げたか、と言うと、わたしにとっていい意味でも悪い意味でもフランス人女性と言ったときにまず彼女を思い付くからです。

それではまずいい意味から。彼女は毅然としています。自分の意見を持っています。自分の生き方を持っていてそれを誇りに思っています。いつまでも美しくあろうと努力もしています。それは美容整形に頼るのではなく、女性がある年齢を過ぎると生き方が顔に反映されることになるのを知っていて、自分に厳しく凛として生きる。美しさが皺一つ一つにも見えることを知っているのです。
オペラ座やサルプレイエルのコンサートでも彼女を見かけたことがありますが、日本の芸能人にありがちなサングラスをかけて周りを無視して大急ぎで歩く、みたいなことはしません。その場にふさわしく自分に似合うドレスにまっすぐに伸びた背筋。周りの人と話す姿もとても自然体。彼女に気付く人はたくさんですが、あまりに連れの人と自然に立っているので、逆に誰も「わー!キャロル・ブーケだー!」とはなりません。近付いては申し訳ない、彼女はコンサートを楽しみに来たのだから、という感じです。とてもかっこいい、美貌のフランス人女性です。
ちなみにこの国には「かわいこぶりっこ」(死語?)は存在しません。愛想笑いもありません。

さて悪い意味でも、というのはなにか?
ちょっとこちらのビデオをご覧頂きましょう。フランス語ですが、彼女の喋る感じをお聞き下さい。最初の2分くらいでいいですよ。感じだけ。
http://www.youtube.com/watch?v=8YSAP4RyBNI
この強い感じ、口調、わかりますか?相手にものを言わせない感じ。彼女は特にブルジョワの出で、正にBOBOでもあるのですが、彼女の話すフランス語はブルジョワのアクセントがとても強く、ちょっと嫌味ったらしいような感じでもあります。他にファニー・アルダンやイネス・ド・ラ・フレサンジュなどもこの話し方です。案外一般フランス人にも煙たがられているのが可笑しいのですが。でもとてもきれいなフランス語です。
まあアクセントはさておいて、フランスでは人と話すとき、常にこういった感じなのです。そして納得できないときなどは、相手がまだ話し中でも平気で割り込みます。自分を主張することがとても重要なのです。
日本人女性の会話の「そうだよねー」とか、言葉が重なってしまったとき「あ、ごめんね」などというゆるーい感じとは全く違います。相手を敬う、邪魔しない、自分が話すタイミングをいつも計算する、遠慮する、こういった日本の素晴らしいものは、ここでは一切通用しません。日本風にしていると、誰にも聞いてもらえない、無視され、口をはさむタイミングすらつかめません。そして「つまらない人」という評価を受けてしまいます。
わたしは日本文化で22歳まで育ち日本的に出来上がっていますので、25年フランスに住んでいても、今でもこのところがとても苦労するところです。このキャロル・ブーケのように話す女性の前では、もう最初っから白旗を挙げてしまいます。
そしてこういうフランス人同士でケンカのように大騒ぎの会話が終ったあと、「じゃあまたね、バーイ!」なんて案外みんなさっぱりしているのです。さっきまであんなにやり合っていたのに。つまり言いたいことは言う、自己主張をちゃんとする、それがとても大事なのがこの国の文化です。

キャロル・ブーケを例に挙げたのはもう一度、いい意味でも悪い意味でも、フランス人女性を代表する顔のように思ったからですが、フランス人女性が皆彼女のように美人なわけでもなければ、教養のない馬鹿も品のない女も(失礼!)そしてまともなフランス語を喋れない人もたくさんいます。これはフランスに限らずどの国にも言えることだと思いますが。
ただ「控える」「遠慮する」「自分を知る」ということが存在しないこの国では、どんな女性も自己主張をし、言いたいことを言い、挙句こちらが呆れているのを知らずに「なによ、この日本人の女。つまんなーい」なんて平気で人の批判をするのでたまりません。みんな猛々しいのです。でも案外他人からの批判やストレスには弱く、すぐに泣いたりもします。フランスは個人文化と言うけれど、実はそうでもありません。結構周りとつるんでいることが多く、個人主義とかって言うのは「自分の主張をする」ということで「自分一人で行動できる」というわけではないような。そして嫉妬深くて、気に入らないことに関しては猛々しい。ガマンをしない。
こういうことに遭遇するたび、25年も暮らしていても、やはり凹み、ここは自分の文化ではないなあと、遠い故郷を思います。
そしてキャロル・ブーケを見るたびに、ああやっぱりここは自分の文化ではないなあと、思うのです。どんなに美貌でかっこいい女性でも、こうなりたいとは、決して思わないのです。
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