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クラシック音楽と「うんちく」

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過去のブログにも書きましたが、わたしは年間でオペラとクラシックコンサートを合計60ほどこなし(?)ます。
わたしの行動範囲は主にヨーロッパとアメリカ。日本では滞在中に他に用事がたくさんあるため、音楽への時間を割けないのが現状です。あとお値段がとても高いし!
オペラはそれこそ住んでいるパリよりも他の土地へ出かけることが多いのですが(これについてもまたいずれ)クラシックコンサートのほとんどは、当地パリのSalle Pleyel(プレイエル ホールとでも訳しましょうか)へ出かけることが主です。こちらへは主人と年間でチケットを通して取り、月に少なくとも1−2度、多いときは5度ほども足を運びます。年間で20−30は出かける計算になります。
こういうことを何年もしていると、案外この世界は狭いことがわかって来ます。同じようなものが好きな人とは何度も顔を合わせることになったり、バロックのときはバロックファン、ワーグナーのときはワグナリアンと呼ばれるワーグナーファン(この中にはなんとワーグナーしか聴かない人もいます!)で顔ぶれも変わるものの、それでも同じ顔がその度に登場します。これはオペラ界でも同じことで、嗜好が似ると、ウィーンへ行ってもロンドンへ行っても、ベルリンでもニューヨークでも同じ顔を見ることになります。
わたしはこのおかげでオペラに関しては世界中に何人かの友人とたくさんの知り合いが出来ました。オペラのときにしか会わない人たちですが、幕間にシャンペンをいただきながらあれやこれやお話するのはとても楽しい瞬間です。たぶんこれは日本国内でも同じなのではないかと思います。でも日本人は遠慮深いので、会釈くらいで終わっちゃうのかな?

今日はクラシック音楽界の人たちについて少し。
わたしが音楽を聴くときに一番重要なのは
1  好きか、嫌いか
2  感動するか、しないか
そしてそのあと気になることは
3  指揮者がかっこいいか、かっこ悪いか
4  ソリストがかっこいいか、かっこわるいか (上手か下手か、もありますけど)
5  自分にも弾けそうか、弾けそうでないか
このあたりでしょうか。まあこれは「わたしの話」ですので、そういう風に読んで頂ければと思います。
そして毎日のように変わるキラ星のようなプログラム、指揮者、オーケストラ、ソリストの中から吟味して自分が行くコンサートを決めるときに、上記の点が判断基準になるのは言うまでもありません。
そして出かけたときに出会う人の中に、これは日本人に限らずフランス人もですが、「うんちく」をたれる方がわりに多いのです。(注・本来は「うんちくを傾ける」というのが正しい表現だそうです)わたしはこれが大嫌い!
例えば「今日のベルリンフィル(天才しかいないオーケストラ)のチェロの二番手は良い仕事をする」と出会った日本人が言いました。わたし自身チェロを弾きますが、今聴いた素晴らしいマーラーの9番でチェロの二番手(ハイ、一番のソリストではなくて二番手がです)が良い仕事をしていたということが、どうしてわかるのでしょうか??!わたしにはわかりませんでした。しかもベルリンフィルですよ。神様の集団みたいな世界一のオケなわけです。しかも彼女はチェロは演奏されないはずなのですが、なんでわかるのかしら。
そんなことよりも、今聴いたものを自分が好きだったか、感動したか、幸せになれたか、それで良いと思いませんか?わたしは今聴き終わったものにコーフンして呼吸も荒くなって一刻も早く誰かに「良かったねー!」と言いたくて幕間にバーに駆け付けて「クラリネットの第三小節はいただけなかった」なんて言われると、「あなたは粗探しに来ているのか、楽しみに来ているのかどっちなの!」と言いたくなります。
でも少し冷静になると、もしかすると「うんちくくん」たちの楽しみは正にこういうことを分かち合うことなのかも知れませんね。わたしがそうで無いだけで。
オペラでもけなすのが大好きなおばさんとか結構いるのです。じゃあ来なきゃいいと思うんだけど。
わたしだって悪口を言うことはあるけど、「たぬきのようなお腹だ」とか「ハゲたオテロなんて嫌だ」とか、「ちんぴらのような声だ」とかね。👽👽 でもわたしのはうんちく系じゃないよ。だって自分にはゼッタイに出来ないことをしているアーティストを心から尊敬しているし、よもやクラリネットのことなんてわかりもしない。何小節目だなんだって、じゃあやってみろと言いたい。
ですので、うんちく系のけなしやさんだと分かって来ると、今度は幕間でゼッタイに出会わないように逃げ回ったりに忙しくなります!ワインを一杯いただきたいところだけど、話すのが面倒だから化粧室でぐずぐずしたり!オペラ界にもこういうイヤなフランス人の女(失礼!)が一人いて、ロサンゼルスオペラまで一週間来て同じ演目を3度も見に来てるのに、ずっとうんちくをたれる(傾ける)上にずっと悪口を言ってる!じゃあなんで何十万円も遣って来るの!この人は案外あちらこちらに出没するので、油断大敵です。
まずは会場を見回してこいつ(失礼!)が来てないかどうかチェックしたりして。
余談ですがこいつとは帰りの飛行機まで一緒になって、サテライトで話を聞かされてるうちに時差と疲れも重なってわたしの目からは涙が!さすがに「どうしたの?大丈夫?」と話は止みました。
どうせなら音楽に感動して涙を流したい。実際わたしはよく泣きます。一度ベルリンフィルのワルキューレのコンサートバージョンのあまりの素晴らしさに一列目でフランス人の友人の男の子と二人で大泣きしてたら、ヴァイオリンの一番後の列にいて、ちょっとヒマそうにしていたおじさんヴァイオリニストに「ニヤリ」とされました。

何か趣味のこととか好きなこととかを始めると、必ず一人や二人は「イヤなやつ」に出会ってしまうのは音楽界に限らず仕方無いことなのかもしれませんが、ちょっとクラシック音楽界は「おたく」的な要素も入って、本当にイヤなやつが居るから要注意です!
あとは「嫉妬」ですねー。これはもう本当に笑っちゃうことすらあるのですが、ある指揮者やオペラ歌手などのファンの間で、60歳70歳になるファン同士が嫉妬しあって問題が起きたりすることがあります。いずれにしてもそのどちらの方にも音楽家は興味を示すことは無いと思うのですが・・・本当に不思議なお話です。
そしてこれは女性に限ったことではありません!男性音楽家の男性ファンが(念のため、両名とも同性愛の方ではなく)女性ファンに嫉妬して、それを撒くためにウソの情報を流したりとか、嘘のような本当の話です。
わたしも仲良くなった音楽ファンのフランス人の女性(72歳)に散々な目に合わされたことがあります。
それ以来、残念ながら、あまり音楽ファンの方達と親しくなるのを避けているわたしです。

Chailly Pleyel
一昨日の晩、サルプレイエルにて、素晴らしかったブラームスの第一番
リッカルド シャイイーとライプチヒ ゲヴァントハウス管弦楽団
「すごーーーく良かったよー!」これで十分!







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